2020 AUTOBACS SUPER GT

ROUND 4 FUJIMAKI GROUP
MOTEGI GT 300km RACE

 

開催地:ツインリンクもてぎ(栃木県)/4.801km

9月12日(予選)天候:雨 コースコンディション:ウェット 観客数:無観客

9月13日(決勝)天候:曇り コースコンディション:ドライ 観客数:無観客

速さと、なかなか結びつかないリザルト、それでもしぶとく最後まで走り抜く!

今年のスーパーGTは、2週間から3週間の短いインターバルでの連戦であることから、7月の開幕だったにも関わらず、もうシリーズを折り返す、第4戦「FUJIMAKI GROUP MOTEGI GT 300km RACE」がツインリンクもてぎで開催された。

今年もaprは従来どおり2台体制で挑み、「#30 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT」は永井宏明選手と織戸学選手がドライブ。タイヤはハイパフォーマンスなヨコハマで挑む。

FRに改められて、2年目を迎えたマシンは、このオフに徹底的に見直しをはかり、改良が加えられた結果、ここ2戦はいずれも予選でQ2進出に成功。すでに速さでは著しい進化が確認されているものの、どうにも決勝ではツキに見放され続けている。

前回の鈴鹿ではオープニングラップの接触で、マシンはダメージを負って1周走りきることさえ許されず、無念のリタイアを喫することに……。

だが、今回の舞台であるもてぎは、ストップ&ゴーが繰り返され、近年はノーハンデとなる最終戦での開催だったことから影、響を及ぼさなかったウエイトハンデが一気に効きそうな予感が。ここまで再三触れてきたが、今年のGT300は獲得したポイントの3倍となるウエイトハンデを課せられるから、ノーハンデであることが絶対の武器となる。そう信じて戦いの場に臨むことに!

 

公式練習 9月12日(土)10:00〜11:35

9月も半ばに差し掛かったからか、ようやく連日の猛暑から解放された感もあった、週末のツインリンクもてぎ。むしろ気になるのは、暑さより雨の方だった。実際、搬入や車検が行われた金曜日には、雷を伴うゲリラ豪雨に見舞われた。土曜日以降も、そんな状態がいつ起こっても不思議ではなく、関係者は絶えず空を見上げ、そして天気予報アプリを見つめていたほどだ。

土曜日の公式練習も、直前まで未明に降った雨で路面は濡らされていたが、徐々に乾きつつある中でのスタートとなった。気温は27度、路面温度は30度、いずれもこの時期としては低め。最初に「#30 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT」をドライブしたのは織戸選手で、最初にピットアウトした後、いつもなら1周でピットに戻ってくるのだが、今回はそのまま周回を重ねることに。すぐに2分を切ってくるが、それから間もなく上空からポツリポツリと雨が降ってきて、10分も経たないうちに路面を再び濡らすこととなった。

午後の予選が雨という予報もあったため、この間にウェットセットが試される。その雨は30分もするとやみ、徐々に乾いていく状況から、いよいよ永井選手の走行となった。この間の永井選手のベストタイムは1分52秒375。1時間経過したところで再び織戸選手がドライブして、今度は本格的にドライセットが試されていく。周回を重ねるごとタイムを縮めていき、最後の周に1分50秒603を記した後、ラスト10分の専有走行は再び永井選手がコースに送り出された。ここで自己ベストを永井選手は1分51秒772まで短縮して、公式練習を終えることとなった。

 

公式予選Q1 9月12日(土)14:30〜14:40

2グループに分けられて行われるQ1において、「#30 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT」はAグループでの走行となった。今回も担当したのは織戸選手。

気温は25度、路面温度は29度と、もっと高くなることを期待していたものの、むしろ公式練習時よりも下がってしまう。

そのためアウトラップに、もう2周をウォームアップに加えてから織戸選手はアタックを開始。1分49秒918を記録した後、1分49秒511にまで短縮を果たすも、Q1突破にはあとコンマ6秒及ばず。

グループ13番手で、決勝レースには25番手から挑むこととなった。

 

永井 宏明選手

公式練習ではクルマのバランスがあまり良くなかったので、それを予選までに修正できたのは良かったのですが、想定よりも全然路面温度が上がってこず、持込タイヤに対してはネガな状況でグリップが出ない。

決勝は後ろの方からのスタートですけど、挽回できるように頑張ります。

先ずは、天気が良くなってくれることを期待しています。

 


織戸 学選手

ちょっと今回、持ち込みのタイヤが全然合っていなくて、季節外れの涼しさであまりにも気温が低過ぎ。

全然グリップが出てこなくて、今日はとても厳しいねぇ。

決勝はだいぶ後ろからのスタートだけど、とりあえず晴天となれば、ベストは尽くせると思います。

 


金曽 裕人監督

今週のレースを見据えた持込タイヤがあまりに硬過ぎて、発動せずに予選アタックにたどり着けませんでした。今までのように15分間の計測だったら、もう2〜3周じっくりタイヤに熱を入れることができて、十分、上位に行けたはずなんですが。

だから、決勝は後方からのスタートになりますが、硬いタイヤを選んでいるということは、無交換で行こうというわけで! 安定したパフォーマンスを出せるタイヤを選んでいるのは事実なので、明日のレースの追い上げにご期待ください。

 

決勝レース(63周) 9月13日(日)13:00〜

早朝には青空も広がっていたが、決勝レースのスタート進行が近づくにつれ、厚い雲が広がっていく。結果的には降らなかったのだが、チームはいつ降り出しても大丈夫なよう、絶えず準備を整えていた。

20分間のウォームアップは永井選手から走り始め、1分53秒364を出した後、織戸選手と交代。3周の計測で、1分51秒769を記録したところでチェッカーが振られた。

今回もスタートを担当したのは永井選手。オープニングラップを「#30 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT」はポジションキープで終え、その後はタイヤ無交換を予定していたことから、しっかりペースを守って周回を重ねていく。9周目から3周に渡り、クラッシュ車両を回収するため、セーフティカーがコースイン。その間に給油のみ(ドライバー交代は禁止)行うチームもあったことから、20番手にポジションアップ。そして24周目にタイヤ無交換で、織戸選手と交代する。

 

次第に順位を上げ入賞も見える位置で走っていった織戸選手だが、35周目のV字コーナーでGT500に接触され、スポンジバリア寸前までコースを外れあわやクラッシュ。

復帰のタイムロスから大きくポジションを落とす羽目に。ダメージは足まわりや操舵系に及んで、まっすぐ走るのもおぼつかない状態になっていた。そんなマシンをだましだましチェッカーまで導いた織戸選手は、24位ながらもトップと同一周回。貴重なチームランキング3ポイントを獲得することとなった。

次回のレースは3週間後の10月3〜4日に、富士スピードウェイで開催される。今シーズンすでに2戦戦っているサーキットで、蓄積されたデータがフィードバックされるのは間違いない。三度目の正直が期待されるとともに、待望の観客を迎えるレースでもある。「#30 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT」の大逆襲を、乞うご期待!

 

永井 宏明選手

今回は天気にも恵まれず予選も含め流れが悪く、マシンバランスを直そうと思って頑張ったのですが、決勝のセットも決まらず、淡々と走り続けるレースになってしまいました。

それでも何とか完走はできましたし、次に向けて、タイヤ選択もセットも、再度考えなきゃいけないと思っています。次こそはいい方向に持っていきたいですね。

 


織戸 学選手

ぶつけられてクルマがおかしくなってしまいました。

ハンドルが90度もずれてしまい、まっすぐ走らなくなっちゃった。コース上を走らせるだけで上位を狙うのは無理でした。とりあえず完走ポイントを稼げたのはせめてもの救い。

茂木に関しては、もうちょっとクルマを詰めなきゃいけなかったですね。次の富士に向けてはバックデーターもたくさんあるので期待できそうです。頑張ります。

 


金曽 裕人監督

もっと温度が上がってくれれば展開は大きく違ったのですが。。。

タイヤチョイスに関してこんなに涼しいとは思わなくて、想定が甘かった。

そのことから最初から最後までマシンとマッチしてくれませんでした。本来はこのセットでクルマとバランスが出るはずですが、このレースウィークの路面温度に対してミスチョイスした硬いタイヤではマシンセットうんぬんを語れる以前の状況で、ドライバーの負担は計り知れないものでした。

それどころか途中の接触でステアリングが曲がり、まっすぐ走れない状態でも、最後まで走りきった織戸選手に感謝です。

一個一個、確実に積み重ねていくのが我々のやり方ですから、完走してくれたからこそ、たくさんの情報とデータを得ることができました。

ずいぶんお待たせしていますが、そろそろ応援してくださっている皆さんを、次戦笑顔にしてみせますよ!