2016 AUTOBACS SUPER GT ROUND 8

 

開催地:ツインリンクもてぎ(栃木県)/4.801km

 

1111日(公式練習)天候:雨のち曇り コースコンディション:ウェット

1113日(予選)天候:晴れ コースコンディション:ドライ 

1113日(決勝)天候:晴れ コースコンディション:ドライ 観客数:36,000

 

2勝目はあと一歩で逃すも、2位でゴールし、ランキングも2位に浮上!

泣いても笑っても、これが今季最後の決戦に。スーパーGTシリーズの第8戦MOTEGI GT GRAND FINAL」がツインリンクもてぎで開催された。今回はシリーズ初の1大会2レース開催となり、この最終戦の行われる前日、土曜日に第3戦代替レースの予選、決勝が行われたばかり。そこで嵯峨宏紀選手と中山雄一選手がドライブする「#31 TOYOTA PRIUS apr GT」はミッショントラブルでリタイアを喫してしまう。

ただし、より重要なのは最終戦とあって、チームもドライバーもまもなく気持ちをリセット。沈み続けることなく照準を最終戦に合わせることとなった。タイトル獲得の権利は首の皮一枚とはいえ残されているだけに、とにかく優勝だけを目標に全力を尽くすこととなった。

公式予選 1113日(日)8:408:55

この最終戦の予選も第3戦代替レース同様、早朝のフリー走行は設けられず、午前840分から15分間の計測による一発勝負となっていた。すでに嵯峨選手が予選に挑んでいたこともあり、今回の担当は中山選手。開始と同時にピットを離れていく。爽やかな秋晴れに恵まれたものの、路面温度は14度と低く、ハイペースで4周のウォームアップを行い、完璧にコンディションが整ったのを確認したところで、アタックを開始する。

まずは147081をマークし、3番手に浮上。しかし、中山選手の激走はこれに留まらなかった。セクタータイムが次々と更新される中、ラストアタックで記されたのは、なんと146760。レコードタイムをほぼ1秒上回る、トップタイムを叩き出してしまったのだ。これにより「#31 TOYOTA PRIUS apr GT」は今季初のポールポジションから、最終戦の決勝レースに挑むことが決定した。

中山雄一選手

「これまでQ1でトップタイムを出したことはありましたが、ポールを自分で獲ったのは今回が初めてなので、本当に嬉しいです。ブリヂストンのタイヤも、今日のコンディションにしっかりマッチしていました。もう本当に出し切ったという感じです。昨日はトラブルで終わっちゃったんですけど、その悔しさを今日の朝、予選結果で晴らすことができました。チームのみんなも頑張ってくれ、朝までかけて直してくれて、完璧なマシンで2回アタックして2回目にベストタイムを出せました。決勝を見据えた作戦を取りつつも、ポール獲れました。チャンピオンシップ獲得に向けて自分のできる仕事は、精いっぱい出来たんじゃないかと思っています。もう勝つしかないんで、一番いいところからスタート出来るのは良かったです。」

金曽裕人監督

「使ったことのないタイヤをチョイスしたこともあり、ポールが獲れるとは全く思っていませんでした。ドライバーとタイヤに恵まれましたね! 昨日の決勝でマシントラブルを出してしまい、チャンピオンの可能性は低くなってますが、期待下さっている皆様と同じく、僕らはチャンピオンを諦めてません!決勝は守りに入らず、激しく挑戦いたします。ご期待ください!」

決勝レース(53周) 1113日(日)13:15

今回の決勝レースも第3戦同様、通常より50km短い250km53周で争われた。「#31 TOYOTA PRIUS apr GT」のスタート担当は嵯峨選手。予選での勢いがそのまま保たれることが大いに期待された。大観衆が見守る、スタート時点での気温は20度、路面温度は27度と、このレースウィークで最も高く、季節外れなほどとなっていた。

スタート直後の1コーナーでこそ、2番手の車両にアウトから迫られたものの、これを嵯峨選手はしっかりガードして逆転を許さず。4周目までは背後からのプレッシャーを受けるも、それ以降は徐々に間隔を広げていった。一方、最もマークすべき相手、ランキングトップの「#25 VivaC 86 MC」はスタート直後に順位を落として10番手を走行。もし、このポジションがお互い最後まで保たれたとしたら、逆転でチャンピオンが獲得できる。一縷の望みを抱いて嵯峨選手は走り続けた。

16周目に「#25 VivaC 86 MC」がピットイン。やはりタイヤ無交換でコースに復帰する。そして「#31 TOYOTA PRIUS apr GT」は、次の17周目にピットに呼び寄せることに。中山選手の交替と同時に行われたの給油のみ。タイヤ無交換で最小限のロスタイムでコースに送り出す。これでいったんは12番手に後退したものの、「VivaC 86 MC」の前を再び走ることとなった。

ライバルがピットに入る度に順位を上げて行く「#31 TOYOTA PRIUS apr GT」ながら、気になるのは「#25 VivaC 86 MC」が徐々に近づいてきたこと。そして25周目にはついに真後ろに。全車がドライバー交代を終えた32周目に中山選手はトップに返り咲くも、すでに宿敵との差は1秒ほどとなっており、34周目のV字コーナーでついに来た。あえて必要以上の抵抗をせず、中山選手は2番手に。

一時は3秒近くにまで広がった差を、チェッカーが近づくようになると逆に詰めもした「#31 TOYOTA PRIUS apr GT」ながら、トップが合わせて走っているのも明らかだった。そして2位でゴールすることに。その結果、ランキングでも2位に浮上することともなった。

これで2016年の全レースが終了。悔しさがまったくないといえば嘘になろうが、レース終了後のドライバー、スタッフには一様に笑顔があった。2017年はチャンピオンを目指し、引き続き挑戦者として戦う、そんな強い意識が感じられた。

嵯峨宏紀選手

「僕らが採り得るベストな作戦はできたと思っているんですけど、そのパフォーマンスの差、同じ作戦を採った25号車(VivaC 86 MC)に対して平均ラップとか耐久面の差で、完敗でした。僕らの中ではベストなレース展開だったと思いますし、初めてタイヤ無交換を実行も出来たし悔いは無いです。これ以上やりようがなかったで、力及ばずの結果でした。

中山雄一選手

「作戦は成功だったと思います。それで毎周あとコンマ5秒ぐらい速ければ、勝てたのではないでしょうか。全体的にはいいレースだったと思います。抜かれた後は、向こうも余力を持っていて、追いついたら離される、また追いついたら離されるって感じでした。今年、僕たちはノーポイントのレースが多かったので、それが敗因ですね。新型プリウスになって、クルマのポテンシャルは高かったんですが、初年度ということもあって、トラブルも多く8戦中4戦しかポイントが獲れなかったので、そこは残念に思っています。今年の経験が今後に繋げられたら、最高ですね。」

金曽裕人監督

「最終戦は、全員で出来ることすべてを出し切ったが、2年連続シリーズ2位・・・。またしても届かなかった。#25はチームが強く、ドライバーも強かったですね。僕らがチャンピオンを獲れる要素は、この2日間には無く完敗でした。今年はクルマを作ること、速さを追求することで精いっぱいでしたが、来シーズンはもっとチームを強く、レースに強くする為に、ハード面、ソフト面を明日からやり直します。今年は新型車両の投入によって、非常にハードな一年でしたが皆様の応援、支援でTEAM救われました。心から感謝とともに2017年は応援下さる皆様の為、我々のプライドをかけて チャンピオン獲得を宣言させて頂きます。悔しすぎて今夜は眠れない・・・。」